70万人と320万人

  • 2017.09.30 Saturday
  • 06:52
更新をサボってしまい申し訳ありません。

やらなくてはいけないことがありまして……、(言い訳)。

今朝の新聞、ギャンブル依存症の疑い320万人を見た方もいると思うので、一言記します。

過去に同じようなことは何度も書いていますので、このブログ内の検索で「536万人」で検索をしてみてください。

今朝記事です。

毎日新聞

産経ニュース

NHK

日経新聞

朝日新聞


同じ発表を元にしているにも関わらず、320万人になったり、70万人になったりしています。記事の内容はほぼ一緒で、320万人というのは、生涯を通してギャンブル依存状態があった人で、70万人というのは、直近1年間での数字です。


少し考えてもらえればわかりますが、生涯罹患率が直近1年間でのその数字と比較して高いということは、自己解決、あるいは自然治癒している人が相当数いるということであり、生涯罹患率を取り出して「320万人だ! 深刻だ! 早急に対策が必要だ」というのはあまりにも乱暴な考え方です。今朝の新聞記事で320万人を強調している記者は記者としての資質を疑います。

536万人のときも同様でしたが、この数字を都合よく解釈して、依存症が深刻な社会問題である不安を煽るような人たちが出て来ることのほうが問題です。

536万人や320万人にあてはまるということは、私も、あなたも、そちらのあなたもギャンブル依存、ということになります。

最後には「みんなあてはまるよね、客観的意志の問題だよ」となり、

ほんとうに深刻な問題に陥っている人に必要な支援が届かなくなるリスクが高くなってしまいます。

また、依存症が多いという風潮が、依存問題の背景にある本当の障害や生活課題が見過ごされるリスクも高くなる可能性もあります。

必要な人に必要な支援を届けるためには、大きな数字をセンセーショナルに伝えるのはデメリットが大きいわけです。

さらに言わせてもらえば、直近の70万人の中にも自己解決や自然治癒が相当いるというのが実態であり、今朝の新聞記事は、冷静に、事実を補完して読み解く必要があります。

先月、日工組社会安全研究財団内に設置された「パチンコ依存問題研究会」から発表されたパチンコ、パチンコ遊技障害の調査報告では、直近1年間では0.4パーセント、つまり約40万人に遊技障害の疑いという数字が公表されています。

その数字を篠原菊紀先生の分析をしたものを参考に私が作成した図です。
この図の40万人が70万人だとしても、手厚い支援が必要な人は3万人程度ということになりますが、少ないから対策が必要ないということにはならないと思います。

2万人〜3万人だとしたほうが、その人たちにどんな背景があって、どんな支援が必要なのか、対策は立てやすくなると私は考えているのですが……。

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