そんなに簡単じゃないよ

  • 2017.05.17 Wednesday
  • 08:05
新聞やネット上には次々に「依存症」についての記事が掲載されています。

正直、これは良いという記事はほとんどありません。どんどん記事の質が低下しているようにさえ思います。

私は一言居士。黙っていられない性質で、損をしているのだろうと思います。
でも、主張することに共感してもらったり、ワンデーポートを利用させたいというご家族もいらっしゃっるので、そのスタンスを変えるつもりはありません。

こんな記事がネットに上がっています。
https://www.houdoukyoku.jp/posts/11915

以下私見です。

記事の中で和田先生は、依存症になりやすいのは、真面目で几帳面なタイプの人が多いとおっしゃっています。私の経験では、すべての人に当てはまりません。後先考えることが苦手で整理整頓が苦手な人も、自助グループや施設にはたくさんいます。うちの息子や旦那は几帳面ではないと思う方もいらっしゃっると思います。たしかに、几帳面すぎる、真面目すぎる人たちもいるのは事実ですが、依存症の人=真面目、几帳面という決めつけはいかがなものかと思います。

また、先生は依存する人を見つけることが大事だとおっしゃっています。

(引用)「ゲーム依存は、引きこもり的な人がなりやすい。やっぱり仲間と楽しむということがいいよという体験をする方がいい。だから、まだゲームだったらスマホゲームとかパソコンゲームよりは、ボードゲームのほうがいい。ボードゲームで依存症になるという話は滅多に聞かないから。仲間がいないとできないから」

人間は、そもそもある程度人に依存したり、依存しあったりしないと生きていけないものだ。

「そう。人に依存できる状態にしてあげるというのが治療だから。超依存症になっちゃって、ベタベタしてないと、例えば彼氏を1秒も離そうとしないとか、そうなってしまうとまずいけど、普通に考えたら人に依存できる人は依存症にならない。結局ギャンブル依存の人とかでも、主婦とかでパチンコ依存になるような人って、夫に相手にされなくてとか、そういう人が多いんです」


理想はそうだと思います。健全な依存先をつくることは重要です。でも、現実的には人との関係を作りにくい人や、作ることができない人がいます。自助グループに行けば「仲間がいます」と言うかもしれませんが、自助グループで仲間をつくるのはそんなに簡単ではありません。私の感覚では、1割くらいの人しか自助グループの仲間に入ることができません。大部分はドロップアウトしています。医療従事者はそのあたりの現実は見えにくいのではないかと思います。

私は自助グループで仲間を見つけようとするより、個別的に信頼できる人を見つけることがリスクが少なく有効だと考えています。それは、職場の同僚でも、支援者でも良いと思います。家族が理解者になる場合もあります(依存症を理解するという意味ではありません)。私自身は、ワンデーポートの利用者の理解者になることがいちばん重要な仕事だと考えています。でも、簡単ではありません。人間は一人ひとり違います。感じ方も、思いも多様です。歩んできた道も違います。依存症だからと単純化しては、その人を理解することはできません。

和田先生は「人に依存できる状態にしてあげるのが治療」と言っています。その言葉を私なりに掘り下げると、人間関係や生き方の問題とおっしゃっているように感じます。そうだとすると、依存先を探すには、フラットな関係性や場所が必要で、解決する場所は病院ではなく社会にあるということになります。

和田先生がおっしゃっている方向性は間違っているとは思いませんが、それならなぜ医療機関が必要なのかという疑問がわいてきます(私は医療が必要ないとは思いませんが、医療中心で治療するという考え方には懐疑的です)。

そして記事全体からは、そんなに簡単じゃない、単純じゃないという思いがわいてくるというのが正直な感想です。

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